固定カウンターイスの寸法
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紹介
今回は、先日納めさせていただいた、店舗のカウンターイスの寸法の話です。
いつものお得意先から、床に固定の1本脚カウンターイス14脚の相談をいただきました。
脚乗せ(ステップ)も付けて欲しいとの要望です。
でも、でも・・・です。・・メーカーのカタログの商品を調べてみましたが、予算が厳しく金額が結構オーバーします。どうしたものか・・・。
全てのメーカーではありませんが、メーカー商品はイスの上部だけでも購入できるものもあります。色々探してみて結局、上部をイスのメーカーから仕入れ、脚部を金物脚の工場から入れることにしたら、ラッキーも重なり何とか予算に合わせることができそうです。
「ここのカウンター天板は、厚いんだよ。え~っと、カウンター下から床まで950mmだね!その高さに合うイスにしてね。」と、工務店の担当の方。「・・・ん~~」と、消化不良な私。今回の担当は初めての方です。
カウンターイスのSHは、一般的に「カウンターTOP」からマイナス280程度とされています。「カウンター下」からの寸法では決められません。お客様の中には、よくカウンター天板下の余裕を気にされて、カウンター天板が厚くなるので、座ると狭くなって座りにくくなるのでは、と心配されて、カウンター天板下からの寸法だけを連絡される場合があります。
確かに天厚がかなり厚過ぎれば問題ですが、100mm程度だと差し障りありません。それより問題なのは座った時、カウンターのTOPに置いた飲み物や食べ物ものを飲食したり、簡単な作業などをする、基本的なカウンターとしての使用目的に叶っているかが優先だと思われます。
天板厚が250mmもあるなど、単に天板が厚過ぎるということで、イスの高さを基準より低くするというのは、「椅子に座って使うカウンター」には無理があり、別の問題かと思われます。
人の腿の厚みは、個人差はありますが100~150mm程度ですので、それに納まり若干余裕があるようでしたらカウンターイスに座るのに問題はありません。
忙しくて早く話を切り上げたいご様子に、「カウンター天板の厚みと、念のためTOPまでの高さは、いくつになります?」っと返した私。
カウンターTOPのHは1050、天厚100との事でした。
そうすると、カウンターTOPからマイナス280でSH770か・・。業態はカレー屋さんで、しかもカウンター自体は、少し高めです。
カフェやバーなどの飲み物程度の場合は問題ないですが、レストラン・和食などの食事をメインとする場合の設定ですと若干低くした方がお客様的には使いやすいものです。飲み物のグラスやコップを手に取る場合に比べて、食事する場合にはお客様は若干前かがみの姿勢になるのが普通の為、食べやすくする為にイスの方を少しだけ低め、マイナス300程度にしたほうが良いかと思います。
また、カウンターがH1100とか高めになってくるケースの場合には、マイナス320程度までイスのSHを下げても違和感を感じないし、逆にそのほうが安心感があるという意見もあります。
以前のブログでご紹介したこともありますが、利用されるお客様やオーナー様の運営目的などによっても、この標準的な高さバランスは前後してくると思われます。
■参照:「テーブルとイスのバランス3:応用編」
さて、今度は脚乗せの高さ位置の設定です。
今回は、SHを750で設定しましたが、脚乗せ(ステップ)を支柱に付ける必要があります。ステップはSHからマイナス440~480程度の位置が一般的です。結局今回は、ステップから床までが高くなり過ぎて座るときの動作が辛くならないように、470マイナス(床から280)で設定しました。逆に500以上マイナスとかだと、女性などでは座った時の足がステップを踏みにくいお客様が稀にでてくる可能性があります。
「よかったよ。オーナーさんも、かなり予算が厳しかったから、あまりいいイスは期待できないと思ってたみたいで、座ってみて、とても喜んでたよ。」と、納品後に連絡を工務店さんからいただきました。
こちらこそ、何よりのコメントに感謝でした。
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