輸入家具の購入
公開日:
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最終更新日:2018/09/07
紹介
最近は、ネットで色々なものを購入される方が増えました。
もちろん私達の業界の業務用家具も同じことが言えます。
輸入家具を販売しているページも多くみられます。輸入家具のweb購入で気を付けたいのは家具の仕様・サイズ・強度です。
欧米系の輸入イスは座る高さや奥行が深く、購入後に座りづらく後悔されるかたもいらっしゃいます。日本人と欧米人は体格的に差があり、欧米で使われているイスのサイズは全般的に日本人の体形より一回り大きいものが多々あるものです。また、もし一般住宅で使用するイスの場合、欧米人の生活スタイルが部屋で靴を履いて過ごす為、靴を脱ぐ日本のライフスタイルでは靴底の厚み分、高さが更に高過ぎる結果となってしまいます。
昨年12月、ある施設でベンチシートをお納めさせていただきました。工事の業者様からのオーダーだったのですが、小イスだけは別途に、オーナー様がネットで探してフランス製のものを支給とのことでした。小イスのサイズが気になるむねをお話しましたが、既に購入済みでもうすぐ届くとのことで、ベンチシートのほうは指定されたサイズで製作すればいいと取合ってもらえませんでした。無事にベンチシートを納入した数日後に小イスが入ってきたようですが、業者様から連絡があり、やはり輸入品のイスの座る高さが高過ぎるので、イスの脚をカットできないかとのことでした。残念ながらこちらも大変忙しいときで木工もふさがっていたので待っていただければ可能ですとご返事しました。その後、連絡が無かったので多忙で忘れてしまっていました。最近、近くに行きましたので思い出し寄ってみました。うかがうと、時間が無かったので工事の業者様のほうでイスのカットされたとのことでした。 ・・・なんと残念なことにイスの彫刻の優雅なアールがかった途中のところで脚をブッツリ切って低くしてありました。やむを得ないこととはいえ、誰の目にも、さも「カットしました」と判る感じで意匠デザインが台無しでした。
また、イスではありませんが、ある結婚式場のオーナーさんが式場の洗面所にイギリスのアンテーィーク洗面化粧台を気に入られ購入されました。しかし、取付けるとき日本の給排水の金具と全く合わず、業者がとても苦労して配管などを継ぎはぎ加工して取付け、費用がかなりかかったとのことでした。しかも、取っ手の蛇口が左回しの為、ご利用されるお客様が毎回、通常の日本製の習慣で右向きに回して戸惑われるので中のパッキンが頻繁に壊れてしまうそうでぼやいていらっしゃいました。
雰囲気作りが目的で、あまり使用しない場合には問題ないですが、やはり輸入家具の場合、そのような日本の家具との違いを十分に検討され気を付けて購入されることをお奨めします。輸入家具を購入される際には、寸法だけでなく購入後すぐの破損など強度的トラブルもよく発生します。特に、製造がアセアン・中国の場合にはその傾向があります。価格の安さだけにとらわれず、買った後のことも十分に考慮されるほうがいいと思います。家具に詳しい専門のサイトで購入されるされるほうがアフター的に安心ではないかと思います。
※補足:画像はあくまでイメージです。
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