現場はワンチーム
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紹介
イスやテーブルなど店舗の家具は、通常、現場の施工が終了間近の引渡しの頃に納入するのが一般的です。
ベンチシートや固定イス・テーブル・什器などが無ければ、基本的に組み立てるか置いて終了です。電気、塗装、クロス、左官工事などの現場の職人さんが作業中に誤って、イスやテーブルに傷を入れたり汚したりされるのは避けたい訳ですので、ある程度の現場作業が片付いてから搬入したいものです。
しかし、トラブルやイレギュラーが発生して、作業工程に余裕がなくなり引渡しやオープンが危うくなってくると、現場では上記のような業者の職人さんが入り乱れ、場合によってはチョットした事で職人さん同士に険悪な事態が発生しかねない状況になる場合もあります。
そんな現場で、最後に苦労するのがクリーニング清掃業者さんです。
先日のオープン間近の現場も、同じようにごった返していました。
納品日は2日前にも確認しての事だったのですが、当日、昼一番に現場入口を入ると、大工さん、厨房屋さん、左官屋さん、塗装屋、ガラス屋さんまで・・・。現場は職人のるつぼです。
「え~、この状態でイスを搬入するんですか!?職人さんに怒られますよ!」と現場監督さんを捕まえて私。「いや~悪いね~!明日の夕方、引渡しで突貫工事なのよ~。場所空けるから、イス、テーブル入れて!」とのこと。「う~ん・・・」と私。
監督さん自ら、イスを置けそうな場所を片付け始めました。
やむをえません。搬入の作業員に指示して、一緒にお手伝いしてその辺りにある工具や材料をかたずけていました。
すると別の業者さんとおぼしき職人さんも片づけを手伝い始めました。
「ありがとうございます。」とお礼を言いながら、その方を見ると、なんと最近別の現場でも一緒になったクリーニングの清掃業者の方でした。
「あっ!どうも~、また会ったね~」と清掃屋さん。そして、少し声のトーンを落として「ここは、前回の現場より切羽詰まってるよ。」・・・・いつの間にか監督さんはいなくなっています。
「多分ここだけでは置けないね。カウンターのところは電気屋さんがこれから照明器具を取付けるって言ってたので、向こうの柱のところを片付けて置いたらいいよ。」と教えてくれました。
クリーニング屋さんは、本当は最後が良いのですが、どうもギリギリになりそうなので、少し早めにクリーニングできそうな処からコマ目に掃除してくれるよう、監督さんに頼まれたとの事でした。
清掃屋さんは業歴も長く、ここの大工さんや電気屋さんも知り合いのようで、お互いにチョットした気遣いができる間柄のようです。
こんな時間が差し迫った時は、知っている業者さんが同じ現場だと、本当に助かります。
私も立会うだけの役割なのですが、たまに他の業者さんが重たい材料などを現場で動かすのに苦労しているのを見かけると、進んで片方を持ってあげたりします。礼を言われるほどではないのですが、現場がスムーズに進むのであればそれに越したことはありませんし、自分が本当に困っているときのヘルプはありがたいものです。
清掃屋さんも大工さんや電気屋さんなどが早く仕事が終わってくれれば、自分も仕事がやりやすくなります。
やはり現場は、たとえ知らない方達の集まりであっても、各業者さんが誰も欠けることなく共同作業で完成するものですので、そのチームの和はとても大事です。
その意味で、現場は本当の「ワンチーム」と言えそうですね。
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