天板と脚と重心
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最終更新日:2018/11/29
紹介
お店や施設などの業務用テーブル製作で、よく迷うのは、天板と脚の適合性です。
規格品の場合には、天板と脚の取り合わせは、その安定性なども検証したマッチングになっていますが、オーダー製作の場合や天板か脚のどちらかの交換などのときは、テーブルの「重心」に注意が必要です。
あるお店のテーブルで、天板を交換する機会がありました。
工務店のお客様の方から、ご希望の天板の仕様品番とサイズ・カラー・台数をメールいただき、現在工事をしているお店の5周年が迫っているので、急いで交換したいとのご依頼です。
規格品の品番で、全ての仕様・数量も決まっていましたので、お見積りをお出しすると、すぐに注文になりました。
ところが、納品日の翌日にご連絡がありました。キズなどの運送破損があったのかと思いましたが、お話をお聞きすると、テーブルの安定性が良くないようです。
「お宅が入れてくれた商品が悪いんじゃないけど、天板をW500×D600からW600×D700に大きくしたから、問題ないと思ってたんだけど、テーブルが若干不安定でグラグラするんだよね。お客さんが4角に手を付いてテーブルが傾きやすいんだよ。」とのこと。
電話にて事情をよく聞きましたところ、オーナー様が、友人の方から中古品をいただいたので、オープン時に予算を抑える為、そのまま使っていたようです。5年も経つので壁と床の一部を改装することになり、天板の表面にキズや汚れが多くなったこと、また、サイズが小さくて飲み物やお皿などがあまり乗らないということで、この機会に天板だけ交換したとのことでした。
既存脚は金物脚で、支柱60Φ、ベースサイズ430Φとのこと。・・・なるほど、確かに脚が小さ目です。通常、脚のベースのサイズは天板のサイズ×約65%程度以上なのですが、それよりも天板がオーバー気味です。更に、丸天板でなく角天板の場合には、その対角の寸法を考慮しておかないと4角に手を付くと不安定になります。
結局、今回は、脚も古かったこともあり、新しい脚も購入していただくことになりました。
狭いレイアウトの場合に、よく、脚が邪魔になるということで、W1300×750程のテーブルで、一本脚がいいと言われるお客様がいらっしゃいます。お気持ちは良くわかりますが、その場合、ベースを大きくしないと安定が悪くなります。また、支柱も100Φとかでは、たとえ倒れることはなかったとしても、天板が揺れて、飲み物などがこぼれてしまいます。オーダー製作の脚にして揺れ止めを付ければ問題ないですが、価格に跳ね返ってきますし、また、当然、結構重くなり、人が増えて隣のテーブルと付けたり移動させる場合は大変です。
このような場合には、結局は小さいテーブル用の脚を2本使う方がいいケースが多いかと思います。
天板と脚のサイズは、テーブルの高さや天板の重量によっても「重心」が変わってくるので、天板だけ・脚だけが必要という場合には、よく相談して購入されることをお勧めします。サイトやカタログなどに適合サイズが、記載されていても、これはあくまで平均的な標準のテーブルの参考と考えておかれたほうがいいと思います。(今までと同じサイズ・同じ重さぐらいの天板や脚と交換されるのであれば問題ないですが・・・。)
脚は、1本脚や2本脚・4本脚・H脚など色々なタイプがあります。勿論、木製・金物・箱タイプなど多種です。天板も軽量な素材・無垢材・大理石など多種多様な上に、厚みも色々ありますので、たとえ同じ寸法のものではあっても、組み合わせによっては、問題ない場合と不安定な場合が出てきます。
何にしましても、お選びになられる物によっては、思いもよらない結果になる可能性があります。貴重な時間と費用をお掛けになるわけですから、あまり関係ないと思われることでも事前に、ご相談されてご判断されたほうが、結果的には利口な買い物だと思います。
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