自分らしく
公開日:
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最終更新日:2020/01/22
紹介
2020年がスタートしました。
今年はオリンピックの年ですが、盛り上がる年になるといいですね。
先日、九州のコワーキングスペース・貸会議室・カフェを併設した宿泊施設に泊ってきました。共用スペースには、キッチンやコタツがあったり、テントも室内に張ってあり、夏には、屋上にも設置できるとのことで、とてもリラックスできそうです。
お正月休み明けの1/6ということもあり、その日は一階のカフェコーナーは混んでいましたが、宿泊は空いていました。オープンして1年ほどということもあってか、綺麗で快適です。
たまたま、11月ごろから滞在している30代くらいの自称アドレスホッパーの女性の方と話す機会がありました。
web製作の仕事をしながら、気が向いたときや仕事のアイデアに行き詰ったときなどに各地へ移って短期滞在して仕事しながら過ごしているとのことでした。ストレスフルな現代人にとって、新しい土地の美味しい食べ物や町の方々とフラットに触れ合える環境は、より自分らしくナチュラルな感覚で心をリセットできそうですですね。
最近、定住先を持たず国内・海外問わず各地に不定期で住みながら仕事をして生活するスタイル、多拠点生活の方「アドレスホッパー」が増えているようです。
決まった定住先がないと聞くと誤解をしそうですが、勿論、定職を持って収入があるわけですから、「ホームレス」というのとは全く違います。
テレワークや多様な働き方で仕事して、毎日職場に通勤する必要がない若い方の中には、アドレスホッパーの方が増えていますし、そんなビジネス環境も増えているようです。
一度しかない自分の人生ですから、より「自分らしく」生活し働きたいという思いが、そんな選択を選び、またそれを可能にする社会環境ができてきているのでしょう。
この延長線上には、終生、旅に生きた松尾芭蕉の思いに繋がるところがあるのかもしれません。
業務用の家具の業界でも、「個」を大切にする傾向が多くなってきています。カフェ・レストラン・オフィスなど多くの場面で見られてきています。「おひとり様」対応のカラオケBOXやレストランの飲食コナー。テーブルとイスが各1つだけで一セットの場所があるカフェ。人は一人では生きられないとは言いますが、多くの人が生活する都会人の場合には逆に、人は一人になるスペースと時間が大切なのかもしれませんね。
もう数十年以上も前の業務用家具の業界では、1つの空間では、イスやテーブルを同じものでそろえるのが一般的な傾向がありました。施設や社員食堂など、家具の数が多い案件では、そのため在庫数が足りなくて困ってしまい、デザインより在庫が足りるものでセレクトするケースが多々ありました。運営側のメンテナンスし易さも、同じイスで揃える原因ではあったかもしれません。しかし最近では、各コーナー別にイスやテーブルを変えるのが通常になっています。あるところでは、意図的に全てのイスの種類や張地を全て違うものにするところもあります。今日はここに座って、明日はあのイスに座ろうかなど、その日の気分で選べるように(勿論、塞がっていて座れない日もあるでしょうが)、空間の意匠以外にも、使う人も楽しめる意図もあります。
ラグビーやサッカーの応援など、一つの集団の中での「一体感」も好きだけど、他の人とはちょっと違う自分も大事にしたい、自分らしくありたいという「個」の思いは、思いの大なり小なりの違いはあっても、どんな人でも共通の本音の意識かと思います。「個」を大事にする傾向は、人口減の現代社会では色々な場面で今までよりも増えていくと思われます。
九州の宿泊先の1階のカフェで、このブログを書いている途中でした。向かいで本を読んでいる男性のテーブルで、スマホが着信マナーモードで振動しました。彼は一瞬、スマホの画面を見たのですが、電話に出ようとしません。ブー、ブー、ブー。テーブルの上で振動している音が響いています。チラッと私と目があった彼は、振動続けているスマホにハンカチを巻いてリュックにしまってしまいました。
・・・・・う~ん、電話に出たくないのね!
彼も、今は、「個」を大事にしたいのでしょうね??
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