イスのメンテナンス
公開日:
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最終更新日:2020/10/14
紹介
コロナウィルスには、どの業界も参りますね。
日本の各企業が中国からの荷物が止まってしまい困っています。
旧正月が終わっても、工場の再開がままならない状況です。
業務用家具の業界も、特に生産が中国の企業は、入荷日が読みにくく商品の在庫が見通しにくい状況があるようです。
早く、収束してくれるといいですね。
話は変わりますが、ある打合せの時のこと。
現調で設計のお客様と打合せが終わり、気付くと午後2時30分を過ぎてしまいました。
「お昼、何処か近くに食べに行きましょう。」ということになり、近くに在ったイタリアンっぽいお店へ入りました。
遅めだったのでか、それほど混んでいません。
どこに座ろうかと、右奥の窓側のベンチ席に向かいました。う~ん・・・。「ここの席はやめて、向こうの席にしようか!」
別の席で「まあ、少しはこっちの席がましだね。ここにしよう。」っと、席に着きました。
・・・というのも、お店の外観はそれほど悪くなかったのですが、店内のベンチ席は張地があちこち破れていて補修のガムテープが貼ってあり、おまけにそれも裂けていて汚く見えます。よく見ると、いま座っている席から見える別のベンチの座も、張地が白っぽい為か汚れて中のウレタンもヘタっていて、どうも座の前側がへしゃげた感じでゴワゴワとシワが寄っています。
料理はそこそこ美味しかったのですが、残念ながら女性のお客様と一緒の食事は避けたくなりました。
別件で、とあるレストランの張替えをご依頼いただいたオーナーシェフが、「先日、家族連れのお客様がいらっしゃって、小学生くらいの子供さんが、席に座るときに『このイス破れて汚いから座りたくない!』って言ったんですよ。いや~、恥ずかしかったね~。」と、張替えを依頼した経緯を話してくださいました。「子供だから、そのまま素直に言っちゃたんだろうけど、大人のお客様も当然感じてただろうね。そのまま見過ごしてると、女性のお客様とか来てくれなくなっちゃうよね。」
店舗のイスは、張替えをするにも当然それなりの予算がかかります。小さなお店では費用を捻出するのも大変でしょう。しかし、お客様に避けられて、だんだん来なくなったらもっと大変です。
お店の運営経費の配分は、慎重によく比較検討されるに越したことはありません。
ベンチシートはボタン締めや絞り、巻き込み、キルティングなど色々な張り方をしますが、背が破れたり汚れるケースはそれ程多くありません。問題が多いのは、座面です。多くの不特定のお客様が座わられるわけですから一番のダメージがきやすい箇所です。
最近の業務用のベンチは、しわが寄りにくくまた、ヘタりにくく、結果的に破れにくくする為に、硬めのウレタンを使う傾向です。それでもベンチがW1000mm位までは、まだマシなのですが、W2000mmなど長めだった場合、シワが寄りやすくやすくなり、結果、張地が破れやすくなります。また、座面に≒500mmピッチとかで途中にパイペンやキルティングを入れても、その縫い目から破れやすくなります。
傾向としてですが、張地の伸縮性や耐摩耗度にもよりますが、布張りよりはビニールレザー張りのほうが、お客様の立ったり座ったりでのエアの抜けが悪く、シワが寄りやすい傾向です。しかし、汚れに関しては白系でなければビニールレザーの方が、メンテナンスし易いし価格的にもメリットがありますので、お店の形態や使用場所・目的などによって検討して使い分けることになるでしょう。
最近はメラミン化粧板で、指紋が付きづらかったり、ウイルス抗菌機能の商品(縦使い)が出ています。テーブルやデスクなどには効果的でしょう。イス用としては、ビニールレザーも抗菌タイプがありますので、医療機関や飲食店などでは有効かと思います。
家具は使用頻度や経年によって、少しづつ痛みが進み、リフレッシュなどのメンテナンスは避けられません。そんなときは、最近の機能性素材も調べてみられてはいかがでしょう。家具はお店のイメージを大きく左右します。新品ではない家具が、逆にイメージUP・グレードUPするチャンスになるかもしれません。
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