日本人っていいな!
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最終更新日:2018/09/07
紹介
12月の現場で、床固定の背付きカウンターイスを納品取付けする仕事がありました。工事側のトラブルとかはありましたが、おかげ様で感じよく納まりました。
イスとイスの間、カウンターからイスまでの間隔などは一般的な店舗イスの基準寸法というのがあります。ただ、その現場の業態やイス自体の大きさ、SHなどによって実際の寸法は多少前後する場合があります。床固定ですので、一旦、金物脚を取り付けたら当然、後で動かすことは困難です。
その現場をそろそろ手配しようかという頃でしたので、予定している寸法は決めていましたが、どこか、固定カウンターイスの入っている店舗があれば参考に、のぞいてみようと思っていたときでした。
お客様廻りの途中の駅で、昼食時間をちょっと過ぎていました。少し寒かったので、あったかいものを食べたくなりました。博多ラーメンの少し小じゃれた店が目に留まりました。ガラス越しにお店の中を見ると、なんと固定の背付きカウンターイスが入っています。
おう、これ!これ!とお店に入りました。
幸い、券売機の前にはお客さんが1人だけで、他の席も結構空いていて混んでいません。
券売機のボタンを押しているお客さんの後ろに少し離れて並びました。
お客さんはボタンを押すと、1000円札を券売機に挿入しました。券とおつりが出てきました。しかし、お客さんがおつりを掴もうとして、誤って100円玉と10円玉を1枚づつ落としてしまいました。その100円玉と10円玉は、床に落ちるとコロコロとその券売機の機械の下に転がって見えなくなりました。あ~、気の毒なことです。
若い20歳ぐらいのお客さんは、しゃがみ込むと券売機の下に片手を差し込んで探っています。どうやら手先にコインが当たったようです。コインを床に抑えるような感じで手を手前に引きました。すると10円玉が1個、出てきました。あれっ?100円玉が足りません。もう一度、今度は手をもっと深く差し込み、エイッと手を手前に引き払いました。ジャラッと今度は、お金が沢山出てきました。目当ての100円玉は勿論、500円、100円、50円、10円、5円と複数枚が出てきました。
店のスタッフからは、券売機が若干距離があることもあって、店の方も気づいた様子がありません。私も見えてはいますが少し離れていますし、他のお客さんもいません。
すると、その若いお客さんは、自分の100円玉と10円玉分を1枚づつ取ると、当然のように他のお金を券売機の下に押し戻しました。そして店の方に状況を説明しようとしています。
お~、えらいな~! ニコッと笑顔になる自分がいます。
私は、まるで絵本の中の『金の斧と銀の斧』の神様の気分になって「正直に自分の分だけにしたね。ご褒美に全部あげるよ!」って言いたくなりました。・・・でも、そこのところは、自分のお金ではないのでそんな訳にはいきません。
財布や高額品の落とし物が、日本では大抵、警察などに届けられて持ち主に帰ってくるという、外国では考えられないことが、よく話題になります。勿論、日本でも犯罪や迷惑行為が起きないわけではありませんが、日本人の善良さの一端を見た気がしてその日は一日とても心があったかい気持ちで過ごせました。若いお客さんに感謝!
今年も残り少ない日数になってきました。
北朝鮮問題、大相撲暴行問題、いろいろありましたが、来年は暖かい気持ちになる話題が多い年になるといいですね。
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