あるメンテナンス風景
公開日:
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最終更新日:2024/09/08
紹介
いつもお世話になっている、とある店舗のイスのメンテ作業でのことです。
その店のイスは床アンカー固定式のカウンターイスで、納品されて、かなりの年数が経っていました。
金物の経年劣化が進んでいましたが、オーナー様曰く、「他のイスは問題ないんだよね」との事。張地の破れや汚れはメンテ対応で問題なかったのですが、金物脚はかなり傷んでいたので、私的にはある程度まとめて交換した方がいいと感じていました。1脚破損するたびに「他は問題ないから・・」とおっしゃられるので、それ以上は差し控えるのが当たり前になっていました。
先月のある日、またご連絡をいただきました。ただ今回は少し違っていました。「また1脚、脚が取れたので対応してね。・・・でも、この前の同じメンテは2か月前だよね~。一応、それ以外のイスを確認したけど全然問題ないんだよね~。しかしその前のメンテは4ケ月前か~。」
ここはお伝えすべきと「いえ、いえ、かなり年数経っていますから、他も悪いはずですよ。金物脚が折れたりする現象の悪くなる前兆はプロでも分かりにくいものですよ!」と私。
「う~ん。そしたら、申し訳ないけど時間作って全部のイスをチェックしてみてくれる?お昼と夕方はお客さんが多いので、その時間は避けてお願いするよ。」ということになりました。
現調してみると、やはり予想通りでした。
オーナーは、他は全然悪くなってないと仰っていたのですが、実際にはヤバそうなのが結構ありました。
回転軸がぐらつき、金物上部が折れる可能性が高そうに感じるものが、30脚中14脚。それにアンカーが取れているのが3脚も見つかりました。勿論、それ以外も破損の前兆が分からないものもあったかもしれません。
結果と見積りをオーナー様へご連絡すると、その悪そうなものを17脚全部メンテ交換作業することになりました。確かに、破損するたびに1脚づつメンテするのが1回の費用は安いのですが、お店の売上機会損失とトータルメンテ費用を1脚で割った場合のメンテ単価は、一度に作業するほうが格段に良いということをご理解いただきました。
作業当日です。
アンカーの打ち直し作業もありますので、お店は早朝からAM11時頃まで一時お休みしていただきました。イレギュラーな事もありえますので、その場合、午後14:30頃からまたお休みをお願いしています。でも私は順調にいけば恐らくAM10:30頃までには完了するだろうと踏んでいます。
まず、作業員と職人さんが、交換する脚を全て取り外しました。流石、手際よくて早い!!開始して10分程度しかかかっていません。作業員がもう少しで取り外し終えるころには、職人さんは、もう床のアンカー穴の開け直し位置にマーカーで印をつけています。
そのまま作業を続けて2,3分程経った時でした。アンカー穴を開けようと準備していた職人さんが何やらウロウロして作業員と小声で話しています。「えっ~!ドリルが無い?」作業員は慌てて工具箱を調べています。・・・ドリルを積み忘れたとの事でした!「はあ~?」作業員は青くなっています。
やむを得ないので、アンカー穴開け作業以外の他の作業をしている間に、会社倉庫へドリルを取りに行ってもらいました。
往復で1時間30分はかかるようです。
悪いことは重なるもので、工具引取りに行った作業員が運転する車は、電話確認をすると渋滞に巻き込まれているようです。
現場は、職人さんが30分程度でアンカー以外の作業を済ませましたが、AM11時完了は無理そうです。残りの作業は午後2時30分頃からにすることにして、その間お店を営業してもらうことにしました。
あ~あ、待つのって長く感じるものですね!
工具が届き、午後の残りの作業は、問題なくあっという間に終わりました。
工具を忘れた作業員さんは、平謝りで何度も頭を下げていました。ケミカルアンカーの溶剤を打つガンの工具箱をドリルの箱と勘違いしていたのが原因でした。
私も経験がありますが、ほんと悔しいミスって、ばかみたいに単純な凡ミスですよね!
ドンマイ!次は気を付けよう。
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