*

ある日のグレーな親切

公開日: : 最終更新日:2022/06/06 紹介

 今回も店舗イスやテーブルの話ではなく、ある日の帰宅途中にあった出来事のことです。
皆さんは、あ~騙された、って感じたそんな出会いの経験ないでしょうか?
 
 先日の帰り道、突然、中年の見知らぬ男性に声をかけられました。
「すみません、〇〇まで帰らないといけないのですが、財布を落としてしまって帰れなくなってしまいました。申しわけないのですが、電車代を少し貸してもらえないでしょうか?」
困って焦っているのか日差しが強かったせいか、額には汗が浮き出ていますが、どうも本当なのかウソをついているのか判然としない様子です。
先程、よく通る神社の鳥居の前を過ぎて100mほど歩いてきたところです。これも、もしか何かお手助けをしなさいということかと思い直しました。
「いくら必要なのですか?」と聞くと、片道¥900ぐらいとのことでした。その後、モゴモゴと続けて、往復で・・・と言いかけました。何か少し変な感じです・・・。
私は、それ以上聞かずカバンから財布を出すと「では、千円を・・・。」と、千円札を渡しました。
 彼は、私が差し出した千円札を思ったより手早くサッと受け取りました。
『あ~、これはどうもやられたかもな・・。まあ、しょうがないか。』私はどうも騙されたような感じがしました。
それは、私がお金を差し出した時に、お礼も言わずサッと受け取った、あっさりした感じに違和感を受けました。また、貸してもらったのに、私の連絡先などを聞くそぶりが全くなかったことです。勿論、私には返してもらうつもりは全くありませんでしたが、普通の人ならたとえ少額でも、困っている時に助けてもらってる訳ですから、当然お礼を言って、返金する為にも相手の連絡先などを聞くはずです。こちらから返さなくてもいいですよと、言ったわけでもないのですから、それを聞かないのは、返すつもりがなかったのでしょう。私も、渡してしまって今更問いただす気にもなれず、それ以上何も言わずその場を立ち去りました。

 その話を、友人に話すと、「なんだ、そんなのに引っかかったの~。」憐みの目線です。「そりゃ俺だって、もしかするとウソかもしれないと思ってたよ。でも千円ぐらいだったら最悪ウソだったとしてもいいいやと思ったんだよ。」と反論しました。「相手は、そういうのを狙ってるんだよ。いいか、そういう時は、交番の場所を教えてやるんだよ!」とのことでした。
 そんなの知ってるよって方もいらっしゃるかと思いますが、彼が言うには、交番ではそういう人がよくいるので、少額の交通費くらいは貸してくれるとの事です。(公衆接遇弁償費というそうですが、自治体によってはその制度が無く、対応できない自治体もあるようです) ただし、流石に交番ですので、住所・氏名・連絡先など詳しく書かされるようです。でも本当に困っている人だと、全く問題ない訳ですし、逆にダマそうとする人にとっては、一番いやな相手ということになります。勿論、結局は公費になりますので、借りたお金は後日同じ交番に返さないといけません。
人を見た目で差別するのは良い事ではないですが、本当に困っていそうな人は何となく判るような気がします。しかしどうも真実か疑わしい感じだったり、たまたま自分も小銭を持っていなかったりした場合には、交番を教えてあげるというのは、なるほどいい方法だと思いました。

 先程のケースでは、実際には私の思い過ごしで、彼も本当は、〇〇へ早く帰りたかったあまり、気持ちが焦っていてお礼を言うのを忘れてしまったのかもしれません。
 騙すよりは騙される方が私の場合には精神衛生上、楽に感じますが、騙されたと感じること自体は決して気分がいいものではありません。次回、同じケースに出くわしたときは、今頃かよ~、かもしれませんが、いい対処方法を教えてもらったのだから、騙されたと思うよりは、本当は、誤解されやすい人を助けたのかもしれないと、思うことにしました。

関連記事

森林資源と花粉

 憂鬱な花粉のシーズンがやってきました。 今年のスギ・ヒノキの花粉の量は、東北・北陸方面を除い

記事を読む

我慢?

 2021年、新しい年がスタートしました。めでたいはずが、のっけから緊急事態宣言ですね。今

記事を読む

値上げ

 コロナ禍から解放されつつある昨今ですが、今度は「値上げ禍」の波が次々と押し寄せています。

記事を読む

非日常の時計

 少しずつコロナ禍の中でも、新規感染者数・死亡者数の減少やワクチン・治療薬などの選択肢が増

記事を読む

ストレスフリーな時間

 「いや~、人生、ストレスたまる事だらけですね~。」 先日、飲みながら話を聞いてあげてた後

記事を読む

交差点の木陰

 異常な暑さもここにきて、やっと涼しくなってきました。逆に、朝晩は寒い時もあります。着る服

記事を読む

ある日のテーブルサイズと間隔

 仕事柄、色々な場所に行くとどうしても自分では気づかずに、家具に目がいってしまっています。 椅

記事を読む

変わり続けるということ

 「お~。このマグロ丼、うまいね。魚が新鮮だね!」 先日、九州出身の友人と昼食を海鮮料理の店で

記事を読む

納品後のメンテ

 数か月前に小イスとテーブルを納めさせていただいた飲食店がありました。たまたま近くへ行った

記事を読む

ベンチソファの寸法指示

 今年も年度末は業界はバタバタでした。 おかげ様でキコリも現場への立ち合いの依頼が多く右往左往

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

「密」の時代

 とある駅近かくで一休みしようと最寄りのカフェに入りました。

くっつける

 今年は記録的な暑さの夏でした。日本全国でのこれまでの記録を

人はわからない?

 今回は、店舗のイスや家具の話ではなく、色々な人について。 

あるメンテナンス風景

 いつもお世話になっている、とある店舗のイスのメンテ作業での

ホコリ

 メーカーのカタログ切替えが続いています。ほとんどのメーカー

→もっと見る

    PAGE TOP ↑