常連とそれ以外のお客様
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最終更新日:2021/11/09
紹介
とあるカフェでコーヒーを飲んでいたある日のことです。
1・2度寄ったことがあるカフェです。混み具合はそこそこでしたが、満員というほどではありません。私の斜め向こう側の席は、壁から壁の長いベンチシートの席で、その前に5台のテーブルを等間隔にレイアウトされています。
やはりお客様は端がいいのか、左右の席がふさがっていてそれ以外の中央側の3席は空いていました。若い男性のお客様が来店され、そのベンチシートの左端の席の右隣に座わりました。しばらくすると注文されたアイスコーヒーがきました。同時くらいに、また別の年配の女性のお客様が来店されました。マスターに親しげに挨拶をされたので、どうも常連さんのようです。そのお客様は、先ほどのベンチシート席のお客様の更に右隣に座られました。
ちょうど、その時です。左端のお客様が帰られるのか、立ち上がって荷物を持ってレジへ会計に向かわれました。すると若い男性のお客様は届いたばかりのアイスコーヒーを、空席になった端の席のテーブルへ移動させると、手荷物などとご自分も横へ移ろうと腰をスライドさせました。そして、会計を処理した店長さんらしき方へ、「隣へ、席を移っていいですか・・・」と言われました。すると店長さん、突っ立った体勢で、冷たい顔でおもむろに首を横に振って、先ほどの隣に座った年配の常連さんらしき女性を「こちらが・・」と示しました。
若い男性は、「俺が先に来たのに・・・」という少しムッとした顔をしましたが、それ以上は何も言わず、移動させたアイスコーヒーなどを、元のテーブルへ戻しました。
それから5分ほどして、別の若い女性の方が来店されました。年配の女性の方の連れのようで左端のベンチシート席の対面の小イスへ座りました。はは~ん。どうも、2人はここの常連さんで、年配の方の女性が、事前に店長へ連絡か何かを取って来店した感じです。
先程の若い男性も何となく事情を察した感じですが、アイスコーヒーを急いで半分ほど飲むと、不機嫌そうな顔付きでサッサと会計して帰っていきました。
う~ん!何となく、彼はもうこの店には2度と来ないだろうな~と予想されました。
確かに、常連さんは大事でしょうが、先ほど、若い男性のお客様から許可を求められたとき、「恐れ入りますが・・・。」とか「申し訳ございませんが、先約がおられまして・・。」の最初の一言があっても良かったんじゃないか・・・。もう少し丁寧に対応できなかったのかと感じました。
店長は、もう、その常連のお客様と立って話し込んでいます。傍で見ていて、帰った若い男性客を気の毒に感じたとき、今度は右端で打合せしていた黒いスーツを着た営業マンらしき方とその連れのお客様らしき方が荷物を持って会計へ向かわれました。別の慣れた店員の方がレジに付きました。でも支払いを済ませたのに、その営業マンのお客様はそのまま立っています。あ~、会社で清算するのにレシートが欲しいんだろうなと私は思いましたが、おつりを渡した店員は、どうしたの?・・・って、ポカンとした顔をしています。
「レシート、下さい!」と、待ちかねた感じでその方から言われ、店員さんは、「あっ、はい!」っと、慌ててレシートをプリントして渡しました。
その後も見ていると、10分ぐらい後で帰るサラリーマンらしきお客様の支払いの場面でも、店員さんはレシートをお客様に催促されてから渡していました。
確かにレシートが不要な方もおられますし、無駄にプリントアウトするのもゴミになるだけですが、領収書として利用されるお客様にとっては、レシートを渡してもらいたいでしょう。逆に、レシートを渡されなかった時の「催促」は、連れの方や次の清算を待っている方がおられる時は、何となくきまりが悪いでしょう。また、急がれている場合も、あえて催促するのは面倒です。つまり、お客様目線に立った場合は、たとえ不要な方がおられて無駄になったとしても、レシートを渡す方がお客様は有難い(人によっては、当然だという思い)のではないかと思います。その為、大手のチェーン店ではレシートが不要な方の為には、レジカウンターに横に「不要レシート入れ」を置いています。
う~ん。何となくこの店の特徴が感じられました。
この店は常連さんをメインにしてるお店で、駅近か、なのにあまり一元さんやサラリーマンのお客様が多くないのかなと思いました。常連さんが多いのはとてもいいことですね。ところで、・・・あれ?店長も店員さん達もどこかで見たチェーン店のような同じユニフォームを着ています。
ああ、そうだ!入口の看板は、どこかでまれに見かけたことがあるな~。チェーン店か?
チェーン店だとすると、この接客で大丈夫か~?
でも、いいところがあれば、悪いところもあり、裏があれば表もあると言います。この店の今回のシーンは、一見気になるところが目に付きましたが、別のいいところもあるのでしょう。
・・・でもでも、1年後も変わらずこの場所にこの店があるのか、どうも心配になったある日の出来事でした。
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