「色」は現物確認しよう!
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最終更新日:2018/09/07
紹介
インテリアの世界では色の重要度はかなりの比重を占めるもので、色によってがらっと雰囲気が変わるというのは十分ご理解いただけるものと思います。しかし、人は色に関して意識してなくても、自分勝手に思い込んでいる場合が多いものです。インテリアのプロの方ならばともかく、一般の方ですと、画像やカタログの色は、現物の商品も写真そのままの色と無意識に思い込みがちです。
先日頂いた店舗のソファのご注文でも危うい感じのことがありました。ソファをご注文いただき、お客様のほうで張生地をお選びになられました。その張生地で手配して結構ですとのことでしたが、張生地の画像と現物が大きく違うとまずいので、確認の為にカットサンプルをお送りしました。納期的にお急ぎでしたので、「そこまでしなくても・・・。」と、サンプルを待つのが面倒だなと感じていらっしゃいました。しかし、届いたカットサンプルを見られて、「よかった!こんなに違うと思いませんでした!」と連絡が入りました。お客様がお決めいただいたとはいえ、そのまま納めていたらとても残念なことになるところでした。結局、別途、送らせていただいた張生地を確認してお決めいただきました。
webサイトで確認できるのは、パソコンやタブレット・スマホなどで見る画像だけです。よく家電量販店でパソコンのモニターをずらっと展示してあるのを見るだけでも色の違いがそれぞれの画面で顕著です。更にカタログ印刷物だとなお更です。
口頭で「あんな色にしたい」「こんな色がいい」は、個人の色彩感覚の違いもあり、もっとあてにならないものです。やはり、小さなサンプルでも現物を見ていただくのが遠回りに思えてもお互いにとって一番の近道であり最良の選択です。
画像も写真を撮ったときの照明の色合い、屋内で撮ったか屋外か、晴れてたか曇ってたか、背景はどんなカラーかなど色々な環境によって、全く同じものが全然違う色に見えたりします。もちろん、近い色だったら良くてそれほどこだわらない場合には問題にならないでしょうが・・・。
また、色の違いについて、よく言われることとして、「人の目ほどあてにならないものはない!」ということがあります。人はその時の体調や感情で色の認識にバラ付きがあるものです。また、照明の影響も出でますので、色の確認や比較は日の光(天然)のもとで確認するのが一番です。
今年の7月、レストランの椅子の張替えを依頼されて、張生地の確認をしようと外に出すと、黒のビニールレザーと思っていたものが、現実には濃い目のグリーンだったことがありました。私自身も、はっとしたことを思い出します。
家具を購入するのは、それなりの金額がかかるものです。多少の時間がかかっても、サンプルなどの現物を確認して購入することをお奨めします。もちろん、現物家具そのものを見て触って購入できれば一番ですが、業務用家具の場合、半オーダーやお店のサイズに合わせて製作することが多いですのでなかなか家具そのものを確認できない場合が多いものです。せめて失敗の確率を低くする為に、遠慮せず小まめな商品の仕様確認やチップサンプル依頼などを購入ショップに事前に、お願いするのが最善の方法です。
色の感覚に限らず、何にしても「思い込み」って怖いですね。確認の大切さを毎回、思い知らされるこの頃です。
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