先に備える
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紹介
コロナ禍も中々明けませんね。
今年は、同じように中々梅雨も明けません。
でも、やっと先日ニイニイゼミが鳴き始めました。
先週、オフィス家具を納入しました。
軽量棚や書庫、デスク、サイドテーブル、事務椅子など一式納入しました。
組立・納入が無事完了しましたが、最後に今後の地震対策の為にLアングルで壁面固定をお話したときです。事務所の社長さんは、ここの部屋は、賃貸契約のときに大家さんから、壁にネジなどで穴を開けないでと言われたとのことです。
耐震には、Lアングルやスチールプレートで固定するのが一番安全なのですが、ネジで壁に取付けると、穴が開いてしまいます。
最近は、部屋を借りても何かを固定する為にネジなどで穴を開けるのを嫌う大家さんが多くなっています。次の貸し出し時の壁クロスなどの痛みを抑えたいのでしょう。
でも家具をただ置いたままにしておくと、日本の場合には、転倒の恐れがある地震が頻発するため、かなり危険な状態と言えます。
突っ張り棒を買って取り付けるしかないな~。
そこで、皆さんご存知の最大手家具チェーン店のホームページに、転倒防止金具が載っていたので、選んで購入すようお薦めしました。
しかし、数日後、私の方にやはり何とかして欲しいと連絡がありました。
話を伺いますと、その家具のお店に耐震金具を買いに行かれたところ、あいにく数が足り無かったため不足分を取り寄せてもらい事務所へ直送を依頼されたようです。
ところがその後、その家具屋さんの担当から連絡があり、選んだ転倒防止金具が構造上問題があるとのことで、既に購入分も返品をお願いされたとのことでした。
他のタイプは無いかと聞いたところ無いとのことだったようです。
業務用家具や店舗の家具の場合には、壁面固定は通常なのでこのようなケースはあまりありません。東北や神戸で大きな震災に見舞われた日本は地震大国です。棚や大きな家具が倒れてきて下敷きになって逃げ遅れたり亡くなった方のニュースを皆さんもお聞きになるケースがあるかと思います。それなのに、壁にビスとかで止めて穴を開けないでほしいなんて、かなり困惑感を覚えますよね。耐震マットなどは多くみられますが、一般家庭の大型棚用の固定しない転倒防止金具は無いわけではありませんが、それほど種類が多いとは言えません。また天井との高さが場所によってまちまちですし、高額なものも多く、まだまだ業界的には課題だと思われます。
こんな場合には、やはり大家さんに、耐震の為という理由を伝え、取付け金具で固定させてもらえるよう、もう一度ご相談したほうがいいと感じます。安全には代えられません。その代わり部屋を退去時にはたとえ有償でも原状復帰をするようにしたほうが賢明だと思います。
結局は、今回の場合には、設置場所が多かったこと、高さが設置個所でバラバラだったこともあり、別途予算をいただき半オーダーで製作金具を手配して、壁固定無しで設置しました。
大きな地震が、今後30年以内に来る確率は70%以上と言われています。
「転ばぬ先の杖」と言いますが、どんな事でも先を読んだ視点が大事かなと感じます。
先日、将棋界では藤井聡太棋士が最年少で棋聖タイトルを獲得するという快挙で沸きました。彼の先を読む力は、棋聖選五番勝負第二局で、最強将棋AIソフトが6億手先を読んでやっと最善の打ち手と判断したほどの能力だと言われています。
コロナ対策・経済対策・外交対策など、藤井聡太棋聖の先を読む能力を、日本の官僚の方や政治家の皆さんには、ほんの少しでも勉強してもらい創造力を発揮してもらいたい思いですね。
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