視界不良
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最終更新日:2023/05/12
紹介
車で出かけようと駐車場へ行ってビックリしました。
車体が黄色く粉がふいています。あ~あ!前日に洗車したばっかりだったのに・・・。
原因は「黄砂」です。その日は関東でも広範囲に黄砂が飛来していたようです。随分遠くからわざわざやってくる厄介者は、本当に困ったものです。
業務用の家具の業界では、現在、コロナ禍前と比べかなり納期がかかってきています。勿論、あまり変わらずに納められるものもあるのですが、張りや木工などの年配のベテラン職人の高齢化で、その技術的継承がスムーズにいっていないメーカーが多いようです。コロナ禍はその屋台骨を支えていたベテラン技術者を直撃し、その退職時期を後押ししてしまいました。結果、メーカーの製造現場から製造技術力・スピードを後退させてしまいました。後を引き継ぐ若い職人は、コロナ禍で新規採用に踏み切りにくいメーカー側の事情もあり、育っていない状況です。
「え~!既製品なのに1か月も納期がかかるの!」「完全受注生産品でもないのに~~?」「フレームも在庫あるのに~~?」あるメーカーへの問合せで何度か話した会話です。
多くの職種の職人がかかわる建築の業界もそうですが、各業界とも物作り系の職人さんが減っていて、コロナ後になって需要が増えたからといっても、育つのに年数がかかる職人さんについては数年間は不足状態は避けられないと思われます。IT化で短縮できる工程も多いとは思いますが、数年間は納期をコロナ前以上に考えていたほうが良さそうです。
先月ご注文をいただいた案件で、固定用のカウンターイスを直送することがありました。ご購入先に到着する日、手配をしたメーカーより電話がありました。「配達をした運送会社から連絡があって、依頼された住所がなく、記載の電話も応答がなかったので荷物を持ち帰りましたとのことでしたが・・・。」とのこと。
カウンターイスは、上部のボディと下部の金物脚が別のところからの直送でした。連絡があったメーカーはボディのほうのメーカーです。
直ぐにお客様へ連絡してみました。「おかしいね、金物脚の荷物の運送会社からは連絡があって届いたたよ!ボディのほうの荷物はまだ届いていないよ。連絡もないけど・・。」とのこと。え~、どうした?片方は問題なかったのに、もう一方は届いていないし、記載の住所が無い???
早速、指示した注文書をチェックしました。送り先は、コピペしたので同じです。メーカーからの送り状の控えをチェックしてみました。「あ~、違ってる!」メーカーからの送り状の控えで、住所は同じでしたが、電話番号の最後の1字が間違っています。確かに間違った電話番号だったのですから連絡はつかなかったでしょう。しかし、住所は間違っていません。でも、一方の運送会社は届いたのに、もう一社は住所が見つからないというのは妙です。
すぐに、ボディのメーカーに連絡をして、電話番号の間違いと他運送会社は届いている事を伝えました。
その後、数時間ほどしてお客様から、連絡がありました。組立て方法についての質問だったのですが、内装業者さんが引き渡しを急いでいて、イスの床固定の職人さんを待たせているとの事でしたので、その後無事に荷物が着いたこと事態にホッとしました。イスは、脚部だけでは使えませんし、上部ボディだけでも使えません。どちらが欠けてもイスという製品が完成しないのは当然のことです。
店舗のイスの業界に限らず、需要(仕事の依頼)と供給(製造)も同じことが言えますが、2つがバランスよくあってこそ良きビジネスが成立します。
コロナ禍が明けつつあるのはとても嬉しいことですが、職人不足や材料費・経費UPなど業界的には「黄砂」が舞っています。視界不良でまだまだ先は見通しにくい状況です。一歩一歩足元を確認しながらの1年となりそうです。
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