経年劣化
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紹介
とある店舗のソファの張替え案件がありました。
オーナーはソファの張地の破れと飲み物のこぼれ染みがとても気になったようですが、問題のなさそうなものもありました。
一旦、張り工場へ引き取って張替え作業を終えて、ソファを設置しましたが、どうも少し違って見えます。「あれっ?もしか、張地を間違ったかな!」と一瞬、意識がつぶやきました。同じ品番の張地を手配したはずです。・・・はず・・。急いで、オーダーいただくときに提出した最終カットサンプルのチップを、カバンから取り出し張替えた現物と比較してみました。同じです!「よかった~。」ホッとしましたが、問題自体が片付いた訳ではありません。
張地品番はオーナー様からの指示で、既存ソファ製作時の以前の資料を確認して連絡いただいた品番です。
既存ソファの背は壁に付く様レイアウトされているので、背裏は経年劣化は少ないはずです。そこで壁から離して背裏を確認してみました。予想した通り、背裏はカットサンプルと同じです。
結局、やはり経年劣化で既存のソファの背や座はお客様の長年の使用で毛足が摩耗し、また照明などの光で退色したようです。色自体はあまり違いはありませんが、毛足の流れや光沢が違って見えます。新旧ソファ同士が離れてレイアウトされていれば目立たなかったのですが、隣り合ってくっついているのでどうしても分ります。
当初、そのリスクはオーナー様に説明しておいたのですが、予算との兼ね合いで今回の判断に至ったことでした。
これは、やむを得ないでしょう。
これを解決するには、残りの既存ソファも張り替えるしか方法はありません。
「問題ない。汚れや破れは無くなったし、この程度くらいならそこまで気にならないよ。」とオーナー。
どうやらリスクも十分に考えて、オーナーは検討されていたようです。
先日のこと、何かのTVでアンティークの擦り切れたジーンズが300万のビンテージ物として紹介されていました。しっかりとした縫製と古い金具やデザインの希少性もあり高額とのことです。その業界には詳しくない私にはその貴重性は見抜けませんでした。
アンティークは、家具の世界でも話題になりますが、経年自体はその家具に魅力を与える場合が多いものです。
アンティークは古いのは当然ですが、その価値の希少性だったり、古くても愛着のある適切なメンテナンスをされていて長く使える耐久性があったり、デザイン性・インテリア性の高いものは必然的に人気があり高額です。勿論、有名イデザイナーの作品だったり、著名な人の持ち物であったり、時代の重要な出来事に使用されていた物なども高額になる要素です。
一般的に、物は古くなってくるとほとんどの物は価値が目減りしていきます。物によっては急激に価値が無くなり、まだ十分に使えるものでもゼロに等しくなるうえに、廃棄処分代でマイナスになる場合もあります。
しかし、日本でもメルカリや多くの中古品買取販売業者など、リユース事業が活発化して人気を呼んでいます。
地球の限りある資源を大切に使わせていただくことは、これからの私たちにとって非常に大事なことですね。時は、常に過ぎ去っていくのですから戻ることはありません。経年劣化は地球上のほぼすべてのものには避けられない事象です。
サステナブルな社会を目指す試みとして、時を経た建物のリノベーション、洋服やバッグなど物のリユース・リメイクは見直されています。
私も、今まで途中で投げ出していたことに「Retry」しなくっちゃ。
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